お世話になっております。「まるのいえ」の中川です。
今回は、太陽光パネルを長期間安心してご利用いただくために、注意していただきたい「ホットスポット現象」についてご説明させていただきます。ホットスポット現象とは、パネルの一部に影や汚れ、あるいは微細な傷などが生じた際に、その部分だけが異常に高温になり、パネルの劣化や破損を引き起こす現象です。
この現象が太陽光パネルにとって最大のリスクと言われる理由は、大きく2つあります。
1つ目は、ホットスポットによる故障は多くの場合、メーカー保証の対象外となることです。つまり、万が一この現象が原因でパネルに不具合が生じても、修理や交換の費用を自己負担しなければならない可能性があります。
そして2つ目は、ホットスポットが原因で火災につながるリスクがあることです。発熱が進行すると、パネル裏側が焦げるなどして発火の原因となり、最悪の場合、家全体の火災につながることもあります。特に屋根の上という目の届きにくい場所で起こるため、知らないうちに危険が進行しているケースも少なくありません。
このように、ホットスポット現象は発電性能の低下や経済的な負担だけでなく、安全面においても重大なリスクとなり得るため、正しい施工や定期的な点検によって未然に防ぐことが重要です。
このホットスポットが発生する原因として、主に以下のようなものが挙げられます。
- 鳥のフンや落ち葉などによる部分的な影
- 汚れの蓄積や清掃不良
- 経年劣化や過度な熱環境での使用
ここで重要なのは動かない影(鳥フンやパネルに張り付いた落ち葉など)が大きなリスクになるということです。
では、どうすればホットスポットを防げるのでしょうか。
実は、ホットスポットは正しい対策で未然に防げるリスクです。具体的には次のような対策が有効です。
- 影の影響を分散するバイパスダイオード付きのパネルを使用(これが一番簡単で確実です)
- バイパスダイオード対策が不十分なパネルを選んだ際には、定期的な清掃と点検の実施(目視・サーモグラフィー診断など)が必要です。
- また週に一度はドローンによる撮影で、パネルに付着物がないかのチェックを行ってください
以上がホットスポットの対策になりますが、どのメーカーも十分対策されていると思いますよね?
意外にも住宅用の太陽光パネルは、ホットスポット対策が不十分なパネルが非常に多いです。当社でもお客様にご相談いただく太陽光パネルのうち、8割以上のパネルが対策不十分で、10秒ほどで120度を超える発熱を起こしてしまうパネルもあります。
そのパネルは本日現在も販売されていて、多くの人が選んでしまう可能性のあるパネルなのです。
冒頭にも記載しましたが、ホットスポットは自己責任です。それによって生じた損害はお客様ご自身の負担で交換しなくてはいけません。また、知らない間に火災が起きるリスクがあるのですから、バイパスダイオードのホットスポットに対する対策がされていないパネルを選んだら、必ずドローンを購入、週1度はパネルをチェックしてください。
ホットスポットについて、ご不明なことがあるかたはお気軽にお問い合わせくださいませ。
中川