最近、毎日多くのお客様とお打ち合わせをさせていただいております。
その中で「コスパがいいものがいい」という言葉が多く出てくるので、コスパとは本来なんなのかを考えてみましょう。
多くの方が「初期コストの安さ」や「回収期間の短さ」を「コスパがいい」とされています。
本当にコストパフォーマンスが良い商品とは、それだけでは判断できません。重要なのは、廃棄コストや長期間にわたる性能維持を考慮することです。
例えば、ソーラーパネルを例に考えてみましょう。
高品質なソーラーパネルで劣化率が年間0.25%の場合、40年間で合計274,394kWh(年間7200kwの発電と仮定します)の発電量が期待できます。この発電量を1kWhあたり30円で計算すると、約8,231,835円の電気代削減効果があります。
一方、安価なソーラーパネルで劣化率が年間0.4%の場合、30年間で発電量は203,927kWhにとどまり、同じ条件で計算すると約6,117,820円の削減にとどまります。このように、長期的に見ると高品質なパネルの方がはるかに高い価値を提供します。
その差、200万円を超えることになりますよね。ここに、パワーコンディショナーの保証の長短による交換頻度のコスト、パネル買い替え時の屋根の補修のコストを計算したら、非常に多くの金額の差が生まれます。
さらに、住宅メーカーの長期保証についても注意が必要です。
長期保証が付いている場合、設備の不具合が発生した際にも、スムーズに修理や交換が行えるため、追加の費用負担が軽減されます。
一方、保証がない場合には、修理業者を自分で探す必要が出てきます。この際、多くの業者の中から信頼できる適切な業者を選ぶのは意外に手間がかかり、時間的なロス(コスト)も大きな負担となります。
さらに、業者の選定に失敗すると、割高な修理費用を支払うリスク(コスト)もあります。また、メーカーが倒産している場合、対応を引き継ぐ会社が見つからない場合もあり、最終的に自己負担で全て解決しなければならない可能性もあるのです。
こうした状況を避けるためにも、信頼性の高い住宅メーカーや製品を選び、長期保証がしっかりと付帯していることを確認することが重要です。
長期的に利用できる高品質なパネルは、経済的なメリットだけでなく、将来の環境負荷の低減にもつながります。劣化が少なく寿命が長い製品を選ぶことで、廃棄物の量を減らし、資源の消費(ともにコスト、しかも自分の子孫がそれを負担する可能が高い)を抑えることが可能です。
このような選択は、子供や孫の世代に経済的に負の遺産を遺さないための大切な一歩とも言えます。
すごく簡単にまとめます。お金が豊富にあり、将来的に交換や廃棄、補修などの費用が数百万かかったとしても、経済的ダメージが少ないという方は、どれを選んでも安心です。
逆にお金に不安があり、将来的に数百万をいきなり準備できない(私はこちら側です)という方は、それらの急なコストの発生は経済的なダメージが多く、さらなる借入(できない場合は、壊れたまま過ごす我慢が必要です。太陽光は壊れても、壊れていない部分が発電しますので、廃棄しないまでも専門業社を呼んでの絶縁処理の依頼が必要でこれもまたお金がかかります)を起こす必要があり、こちらも経済的な計画が立てれないことになります。
コスパは大切です。ただし「コスパ」という本来の意味を間違えたり、ネットのコスパがいいという情報を鵜呑みにするのはリスクが高すぎるのです。
全ての太陽光メーカー・住宅メーカーにはそれぞれ特徴があり、すべてが悪いというメーカーはありません。その住宅や太陽光の将来の運用方法も考えながら選択しなくてはいけないということです。
ちょっと耳の痛いお話かもしれませんが、この記事をご覧いただき、具体的にライフプランナーさんなどに廃棄費用や発電差による経済メリットを考慮してもらってライフプランを作ってもらってもいいかもしれません。
現実的なお客様のお買い物傾向を見ていると、お金に困っていない方は、安くて保証が短いものを選んでも大丈夫と記載しましたが、実際にそのような方は、目先のパフォーマンスだけでは買い物の決定をしません。
将来の計画的な考え方ができるので、その方はお金に困らないという結果になるということを最近すごく感じています。
以上、お金に不安のある私からの「コスパ」への考察でした。
ちょっとでも不安になった方や、ご質問などある方はお気軽にお問い合わせくださいませ。
将軍:中川